私たちが豊かな生活を得るためには、自分の内面に抱えている欠乏意識を変えていく必要があります。欠乏意識を抱えたままいくら様々な努力をしても自分を取り巻く経済環境はなかなか思うようには改善されません。
欠乏意識を変えるとは、お金に関する欠乏感だけではありません。自分に現れる経済環境は、自分の生き方、考え方等すべてに関わっています。
日本にいい言葉があります。
「情けは人のためならず」という格言です。人にかけた情けは、結局自分に返ってくるという教えですね。人にかけた情けが多ければ、自分に返ってくる情けもそれだけ多いということです。
豊かさも同じと考えればわかりやすいと思います。豊かな思いや形を人に与えればそれだけ自分に豊かさが返ってくるということになります。
欠乏感は、その豊かさが足りないことを表しています。欠乏感とは豊かな感覚が欠けた思いです。
豊かさには人へのやさしさや思いやりなども含まれますから、欠乏感にはやさしさや思いやりなどの不足も入ります。
自分に現れる経済環境は、自分の生き方、考え方すべてが関わっているとはこのことを言い表しています。
経済環境をよくするための必須条件が欠乏意識を変えるということになります。自分の中にある欠乏意識の代表的なものは支払いを渋る心です。支払いを渋るのは、払えば自分の持っている富が減るという気持の現われです。減るという意識には、不安や怖れの感情が入りますから、一層豊かさから離れます。
支払いを渋るどころか、支払いさえしない人もいます。これはれっきとした犯罪で、自分の心の中に抜き差しならぬ罪の意識を抱え込むことになり、豊かさからは遠く離れることになります。こういう行為をしていると困ったときに人の助けなど入ってきません。まさに「情けは人のためならず」の逆を体験することになります。
お世話になった人への恩返しなどもとても大切な要素で、これを怠ることは大きな欠陥ですから、欠乏に繋がっていきます。
首相をつとめた田中角栄氏は結婚式よりも、葬儀への参列を大変重んじていたそうですが、さすがですね。この話を聞いて、私も自分の豊かな人生のためにも葬儀への参列を軽んじていたことをとても後悔しました。
自分にはどんな欠乏意識があるのかをよくよく検討し、正していきましょう。人から指摘されるより自ら気づいた方がはるかに大きな是正の力になります。
豊かな人生を築くとは、自分が進歩し向上していく道でもあるのです。遠回りのように思えますが、自分の環境が変わっていくのはそんなにむずかしいことではありません。一つづつトライしていきましょう。
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